もう10年以上前になるのですが、あるお取引先の社長様が「スタッフが100人いたら100通りの伝え方をするくらいの気持ちだよ」とおっしゃっていました。そのときにぼくは「えー面倒じゃないんですか?」と聞いたのですが「面倒だと思ったことはないなー」ということでした。
それからずっと頭の中に残っているものの、なかなか腑に落ちないことが続いていました。が、最近「あっ!」と分かることがあったのです。
うちの二人の娘ですが、タイプが違います。一人は教えたことをどんどん吸収するので、それはそれで楽しいのですが、もう一人はそうではないこともあります。でもそれが面倒だったりしんどく感じるかというと全然そんなことはないのです。それこそ手を替え品を替え、どうやったら少しでも吸収できるか考えます。そしてその方法を考える時間もまた楽しかったりします。むしろ成長をほんの少し感じれるだけでとてもうれしくなります。
そこでふと思ったんです。こどもには対応できて、スタッフには対応できない、というのは、それはもう経営者側の愛の量の差じゃないかと。冒頭の社長様はスタッフさんへしっかり愛情をお持ちだったんですね。だから100通りの伝え方を面倒だと思わずにむしろ楽しめるんだと。
スタッフへの愛情こそが人を育てる極意、そして会社を伸ばす極意のような気がします。