ファインディング・ニモという映画があります。素晴らしい仲間に囲まれて平和に幸せに過ごしていた家族でしたが、子供のニモが「外の世界に触れてみたい」と危険なエリアで遊んでいるときに人間にさらわれたために、お父さんがニモを探しにいく旅物語です。
これまで経験のない世界や生き物に出会いながら、ときに命の危険を感じながら、それでも息子のために頑張り、ついにニモと出会うことができました。
あくまでも個人的な感想ですが、お父さんもニモも、まだ見たことのない、もしかしたら一生体験することのなかったかもしれない世界に触れることができてよかったね、と思うところもあります。もちろん人間にさらわれるという不幸な出来事はないほうがいいのですが、逆にそれくらいの出来事がないと、平和に幸せに暮らしていたあの小さな世界から出る、ということはなかったと思うのです。
「平和に幸せに暮らしていた小さな世界」での生活を否定するわけでは決してありません。一方で、健康な体と残された人生にたくさんの時間があるのであれば、やりたいことにどんどん挑戦する人生もまた素敵だなと思います。
挑戦を続ければ、その数だけたくさん失敗するでしょう。お金もなくなるかもしれません。誰かを悲しませるかもしれません。でも「外の世界に触れてみたい」というのはニモだけではなく人間の本能のような気もします。そしてその本能が着火するきっかけはなんでもよくて、言い換えるとそのきっかけは誰にも否定されるものではないと思います。
お金持ちになりたい。有名になりたい。親孝行したい。犬や猫の命を守りたい。病気で困っている人をなんとかしたい。日本を元気にしたい。世界を平和にしたい。なんでもいいので、着火した自分の本能を大事にしたいですし、挑戦している人を心から応援できる人間でありたいと思っています。