イギリスへの留学から帰ってきた大学の同期のお祝いで、大学の同期4人で3年ぶりに会うことになりました。イギリスに留学していた友人は検察官で、いまは東京地検に配属されています。そして別の一人はパートナー弁護士として売れっ子の毎日。もう一人は外資系の金融機関に。僕以外はみんなエリートです。
そんな友人たちと食事しようとお店を探しているなか、弁護士の友人が「吉野家でもいいけど」と言いました。すると検察官の友人が「吉野家でもいいけど松屋があったら松屋がいい」と。そして結局「餃子の王将」に。お店に入ると一人は生ビールを頼みましたが、ぼくを含めた残り3人は「水」。800円の餃子定食を食べてみんな満足しました。
「30代後半、これから40代を迎えようとしている日本経済を支えるべきエリートたちが、経済にこんな貢献しかしなくていいのか」という話を笑いながらしていましたが、外食よりも家で家族とご飯。高級時計も高級外車も仕事のモチベーションにはなっていないようです。ネオン街はもってほか。どうやらぼくら世代は「お金を使う」ということに対して、少なくとも得意ではなさそうです。
ただ共通して「ここはお金を使う!」と宣言した部分もありました。それは「こども」と「旅行」です。「こども」と「旅行」については、「もったいない」という発想はあまり出てこないばかりか、逆に「お金をかけてでもいいものを」という印象です。
またぼくらよりもっと下の世代になりますが、成功するハンバーガー屋さんは、味よりもハンバーガーの見た目が大事なんだそうです。じつは「SNSに写真を投稿したときに写真が映えるかどうか」が若い世代がお店を選ぶ基準だからなんだそうです。それはスイーツ屋さんも同じだそうです。
正解というものはありませんが、時代とともに経済の中心となる世代のお金の使いどころがかわってきているのは確かです。
株式会社フロンティアゲート
吉武和英