「今月のわが家シリーズ」にも掲載している旅館業の社長様と、先日色々お話しする機会がありました。
コロナ禍ということもあり色々大変な環境の中、少しでも価値を高められるように、もちろん経営を成り立たせるためにいろんな試行錯誤をされていました。
その中でおもしろいなと感じた部分がありました。例えば2連泊してもらえると、お部屋のお掃除がなければ、それだけでコストが数千円違うので、とてもありがたいそうです。
次にお料理。(1)ちょっといいお肉をつかった手の込んだお料理と、(2)すごく大きくていいお肉の石焼き、があるとしたら、(2)のほうがお客様に「おーー!すごい!」と言われることが多いようです。でもじつはコストとしては、お肉の仕入れが高くなったとしても、料理はもちろんメニュー考案の手間と時間が大幅に削減されるので、(2)の方が収益性が高くなるといったお話はとても興味深かったです。
ただそこで社長が気にされてたのが、料理担当の方の気持ちというモチベーションの問題です。「自分の腕に期待されること、自分の腕が評価されること」よりも「いい肉を生で出すことが優先される、評価される」となったとしたら、そこでどういう気の持ち方をすればいいのか、悩ましいところもある、とおっしゃっていました。
これはぼくらITの世界でも同じことが言えるかもしれません。事業である以上「お客様に喜んでもらえること」は必要不可欠な要件ですが、同時にスタッフ一人一人が仕事を通じて「満たされること」も、会社が人で成り立っている以上、会社としての成立要件で、どちらだけというのはあり得ません。答えのない旅が続きますが、他業界を見て気づくこともたくさんありますね。